No.94 「息子とチャーハン」

私の息子が中学生の頃は、学校から帰ってきても部屋にこもりゲームばかりで家族の会話が少なくなっていました。
思春期なので仕方がない、これも成長の証と思いながらも寂しいなと思っていました。

そんな息子が春から高校生になり、ある日学校から帰ってきて突然「チャーハン作る」と言い出しました。
カップラーメンのお湯を沸かすのも面倒くさいと言っていた息子が、チャーハン作る！？驚きました！！

息子はネットでレシピを探し、作ろうとしていました。
初めての調理なので、調理器具・調味料がどこにあるのかわかりません。
「フライパンどこ？」「塩・こしょうどこ？」と聞いてきました。

「フライパンの振り方どうやるの？」と息子が言うと、チャーハン作りが得意な旦那が張り切って息子にフライパン振りを見せていました。
親子の会話が少なかったはずなのに、調理中は3人であーだこーだ言いながら会話をしていました。
フライパンに油を入れようとしたら入れ過ぎたり、フライパンを振るとご飯が飛び出たり、私はついつい手や口を出したくなるのをぐっと堪えて見ていました。

チャーハンができあがり、私と旦那も少しずつもらい食べました。
息子的には自分が思っていた味ではなかったと言っていましたが、完食していました。
私にとってはとてもおいしいチャーハンでした。

その日から息子は学校から疲れて帰ってきても、突然「チャーハン作る」と言うことがあります。
調味料を変えて色々な味に挑戦しています。
今では私よりも上手にフライパンを振りながら、パラパラチャーハンを作ります。
料理を作ることに興味が出てきたことはうれしいことですが……片付けを全くしません。
いずれこの家を出て一人暮らしをする日が来るので片付けもさせなくては、と思いつつ私がやってしまっています。
「もう高校生、自分でさせないといけない」と思ってはいますが、息子に甘いです。実行できません。

私のことですが、突然何かを作りたくなる時があります。
頭の中で考えがまとまらない時や気分がモヤモヤする時に「今、食べたい」と思うものを作ります。
余計なことは考えずに料理だけに集中します。
できあがった時の達成感、気持ちがスッキリします。

息子にもただ出されたものを食べるだけではなく、自分で食べたいものを作る楽しみ、完成した時の喜び知ってほしいと思います。
次は何を作ると言い出すのか楽しみです♪